EPAへの認可登録の科学的根拠

多数の試験を通して、殺菌銅が持続的な殺菌作用*を持ち、摩耗されず、そして安全に利用可能できることが明らかになっています。

環境表面素材として初のEPA公衆衛生認可登録を得るにあたり、EPAが承認した厳格な試験手順に沿って、殺菌銅合金の効果を実証する必要がありました。感染症を引き起こす細菌に対する殺菌銅の殺菌作用*を調べるため、3つの試験手順が定められました。その内容は、以下の通りです。

認可登録における必要な試験

公衆衛生への効果に関する表示の登録にあたり、EPAが認める3つの優良試験所基準(GLP: Good Laboratory Practice)の手順は以下となります:

  1.  サニタイザーとしての効果:2時間後の一般生菌数を測定します。試験手順の詳細は、こちらをクリックしてください
  2. 殺菌作用:標準的な摩耗試験機を用いて、細菌を加えながら潤滑摩耗と乾燥摩耗を交互に6回繰り返し、摩耗前後の細菌数を測定します(図1参照)。試験手順の詳細は、こちらをクリックしてください
  3. 細菌の継続的除去:合金の表面にウイルスを24時間に8回付着させ、その間清掃や拭き取りをしなかった場合の細菌数を測定します。試験手順の詳細は、こちらをクリックしてください

Residual Self-Sanitizing test protocol schematic.

図1:持続的な殺菌作用に関する試験手順

Antimicrobial Efficacy Test 殺菌効果測定
Inoculation ウイルス付着
Dry Wear 乾燥摩耗
15 min 15分
Reinoculation ウイルスを再度付着
30 min 30分
Wet Wear 潤滑摩耗
6 cycles 6回繰り返す
24 hr. 24時間後

3つの手順を、それぞれ6種の合金(2~3回に分割)、6種の細菌*に対し実施し、計216回のGLP試験を行った結果を表1にまとめています。「サニタイザーとしての効果」と「殺菌作用(摩耗試験)」の試験では、それぞれ72回の検査すべてにおいて、S304との比較で99.9%を超える生菌数の減少が見られました。同様にS304との比較で行われた「細菌の継続的除去」の試験では、全72回のうち63回で99.9%超の除菌率が確認されました。残り9回における除菌率は、99.3%~99.9%でした。つまり、全216回のうち207回において、99.9%超の除菌率が確認されたということになります。この結果から、銅合金には殺菌作用があること、またその効果は持続的で再現性があることが示されました。

銅合金C11000とステンレス鋼S30400にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を付着させた場合の継続的除菌効果の試験結果。細菌は、各回650,000CFUずつ追加(グラフをクリックすると拡大表示されます)

図2:銅合金C11000とステンレス鋼S30400にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を付着させた場合の継続的除菌効果の試験結果。細菌は、各回650,000CFUずつ追加。

Antimicrobial Copper 殺菌銅
Stainless Steel ステンレス鋼
Bacteria Count (CFU/Carrier) 生菌数(CFU/Carrier)
MRSA on copper alloy C11000 銅合金C11000に付着したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)数

 

表1:微生物汚染の平均減少率(%)(GLP試験)
  グループ 合金 銅含有率 黄色ブドウ球菌 クレブシエラ・アエロゲネス MRSA 緑膿菌 大腸菌O157:H7型
サニタイザーとしての効果 I C110 99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  II C510 94.8 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  III C706 88.6 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  IV C260 70 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  V C752 65 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  VI C280 60 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
                 
殺菌作用 I C110 99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  II C510 94.8 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  III C706 88.6 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  IV C260 70 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  V C752 65 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  VI C280 60 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
                 
継続的除菌効果 I C110 99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  II C510 94.8 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  III C706 88.6 >99.9 >99.9 99.9 >99.9 >99.9
  IV C260 70 99.6 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  V C752 65 99.7 >99.9 >99.9 >99.9 >99.9
  VI C280 60 99.8 >99.9 99.9 >99.9 >99.9

*実験室試験の結果、MRSA、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、黄色ブドウ球菌、クレブシエラ・アエロゲネス、緑膿菌、大腸菌O157:H7型の各細菌について、殺菌銅表面では、定期的に清掃することにより付着後2時間以内に99.9%超を死滅させられることが明らかになりました。殺菌銅表面は、標準的な感染対策を補完し、微生物汚染を減少させることが示されていますが、代替手段となるものではなく、必ずしも二次汚染や感染を防げるわけではありません。殺菌銅を導入した場合も、現在行っているあらゆる感染予防策を引き続き実行してください。

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